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本製品Ver.12.0.0で対応したプッシュオーバー解析では、構造物全体が終局に達した状態を自動判定しないため、ユーザが手動で設定する必要があります。
例えば、H14道路橋示方書V耐震設計編「10.8 鉄筋コンクリートラーメン橋脚の地震時保有水平耐力及び許容塑性率」の条文(2)では、次のように規定されています。
『曲げ破壊型と判定された鉄筋コンクリートラーメン橋脚の終局限界は,複数箇所に形成される塑性ヒンジが全て10.3(7)に規定する終局限界に達する状態もしくは塑性ヒンジの断面に生じる曲率が当該断面の終局曲率の2倍に達する状態のうちいずれか早い状態とする。』───────(A)
本号では、構造物全体が終局に達する状態を設定するための操作手順を解説します。
図1に鉄筋コンクリートラーメン橋脚の例を示します。塑性化が想定される部位を柱上下および梁の2箇所とし、各部にM-φ要素を設定します。

図2のように、全体Z軸方向に漸増載荷を行います。

1回目の解析では、どこまで荷重を漸増すればよいか不明なため、図3の黄色部分「節点変位の上限設定」には仮の値として「2000mm」を入力します。この変位量δは、ナビゲーション「荷重|プッシュオーバー解析|地震時保有水平耐力照査」の上部構造質量タブで設定した節点が対象です。

図4の解析結果をみると、赤丸で示した最後の点が終局水平耐力Puとして認識されていることがわかります。このとき、図4の黄色部分のように、「終局曲率の2倍」を2回経験しており、構造物全体の終局の定義(前述の(A))を超えていることが確認できます。
そこで、1回目の「終局曲率の2倍」を超え、2回目の「終局曲率の2倍」には達しない変位量1326mmを読み取ります。

2回目の解析では、図5の黄色部分「節点変位の上限設定」に先ほど読み取った「1326mm」を入力します。

その結果、図6の赤丸のように、「終局曲率の2倍」に到達した時点で漸増載荷が終了します。これにより、上記(A)に基づく構造物全体の終局状態を適切に設定できます。
