橋脚の設計・3D配筋(R7/H29道示対応)
本製品では、道路橋示方書・同解説(以下、道示)に規定される鉄筋コンクリート橋脚の部材設計に対応しています。今回は、問合せが多く寄せられる横拘束鉄筋とせん断補強鉄筋の考え方について、柱を例に解説します。
柱の帯鉄筋、中間帯鉄筋
一般的な在来式配筋の橋脚は、部材軸方向の主鉄筋と部材軸直交方向の帯鉄筋と中間帯鉄筋により断面が構成されます(図1)。また、本製品では、図1左側の上下2段目の軸方向鉄筋に沿って配置される鉄筋を「たな筋」と呼んでおり、組み立て筋扱いとするか計算上有効な中間帯鉄筋とするかを選択することができます。これらの帯鉄筋と中間帯鉄筋は、検討する方向や照査内容により、横拘束鉄筋として扱うかせん断補強鉄筋として扱うかが異なるため、対象となる部材に対して適切に判断する必要があります。

道示では、横拘束鉄筋を以下のように定義しています。
- 軸方向鉄筋を取り囲む帯鉄筋と部材断面内に配置される中間帯鉄筋から構成される。
- 塑性変形能を有する鉄筋コンクリート部材の構造細目を満足する。
図2の例では、矩形断面で帯鉄筋と中間帯鉄筋によりコンクリート区間が分割されており、この検討方向と平行な方向に配置された鉄筋を横拘束鉄筋とします。円形断面については、矩形断面と同様に帯鉄筋と中間帯鉄筋により分割されているように見えますが、道示では円形の場合の中間帯鉄筋を横拘束鉄筋と見なさないこととしているため、帯鉄筋のみを横拘束鉄筋とします。なお、軸方向鉄筋が多段配筋で帯鉄筋も多段配置される場合は、各段の帯鉄筋を考慮することができますが、計算上有効な中間帯鉄筋がある場合は、中間帯鉄筋により分割される最も分割幅が大きい区間に着目するため、横拘束鉄筋としては通常1本分を考慮することになります。

道示では、せん断力により部材断面に生じる引張応力に対して配置する鉄筋をせん断補強鉄筋と定義しています。橋脚柱断面の場合、検討方向と平行に配置されている鉄筋が該当します(図3)。横拘束鉄筋は通常1本分を考慮するのに対して、せん断補強鉄筋は該当する全ての鉄筋本数分の断面積を考慮する点が異なります。イメージとしては、図4のように照査断面を検討する方向と直交する方向に切断したとき、その切り口に現れる断面積の合計とお考えください。

