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Rally Japanイベント情報

モータースポーツスケッチ
~ラリーのそばにある風景~

ラリーの道を支える土木

全日本ラリー選手権 第3戦
YUHO Rally 飛鳥

supported by トヨタユナイテッド奈良

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2026年5月8日から10日にかけて、奈良県天理市を拠点に「YUHO Rally 飛鳥 supported by トヨタユナイテッド奈良」が開催された。昨年、32年ぶりに奈良県へ復活した全日本ラリー選手権は、今年で2回目。路面はターマック(舗装路)全12本のスペシャルステージ(SS)は、合計81.18km、総走行距離495.37kmで競技が行われた。

トップカテゴリーのJN-1クラスでは、勝田範彦/保井隆宏 がトヨタGRヤリスRally2で今季初優勝。

2位 鎌田 卓麻 / 松本 優一 Castrol TEIN DL FABIA、3位 奴田原 文雄 / 東 駿吾 ADVAN KTMS GRヤリスRally2が続いた。

天理市役所でセレモニアルスタートとフィニッシュが行われた。今大会では奈良県天理市、桜井市、宇陀市、山添村、曽爾村、高取町、明日香村、吉野町、大淀町、川上村、東吉野村、そして三重県名張市の12市町村へと後援の輪が広がった。

自治体、大学、企業が連携し、競技運営にとどまらず、地域の魅力発信、交通安全の啓発、学びの場づくりに取り組んでいる。ラリーを核とした新たな地域共創モデルとして、今後の展開にも期待が寄せられる。

社寺仏閣や史跡が点在する奈良の風景に、競技車両がすっと溶け込む。さらに視線を少し広げれば、山間部の暮らしを支えてきた土木の仕事が見えてきた。今回のルート沿いには、二つのダムがあった。

SS1 / 4 「Tenridam」天理ダム

天理ダムは大和川水系・布留川の上流に位置する、奈良県初の多目的ダム。1979年に完成し、洪水調節、河川環境を保つための用水の確保、天理市の上水道用水の供給という役割を担う。形式は、コンクリートの重さで水圧を支える重力式コンクリートダム。堤高60.5m、堤頂長210m。ダムの天端には国道25号が通っており、地域の水を守る施設であると同時に、人や車の移動を支える道の一部でもある。

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クロベノエキ

SS3 / 6 Ryujinko 大滝ダム

大滝ダムは、奈良県吉野郡川上村、紀の川(吉野川)の河口から約100km上流に位置する多目的ダム。紀の川は、日本有数の多雨地帯として知られる大台ヶ原を源流とし、奈良県から和歌山県へと流れ、紀伊水道に注ぐ。その上流に築かれた大滝ダムは、洪水調節、水道用水・工業用水の供給、水力発電、河川環境を保つための流水の維持という四つの役割を担っている。

重力式コンクリートダム。洪水時には、上流から流れ込む水を一時的に貯め、下流へ流れる量を抑える。貯められた水は、奈良県、和歌山県、和歌山市、橋本市の水道用水、和歌山市の工業用水としても活用されている。さらに、ダム直下にある関西電力の大滝発電所では、最大出力10,500kWの水力発電が行われている。

ラリーのメディアポイントの一つとなった「クロベノエキ」は大滝ダムを語るうえで欠かせない場所である。ここに残されているケーブルクレーンは、黒部ダムの建設で使われた設備を改造し、大滝ダムの建設に転用したもの。コンクリートを運ぶために活躍したクレーンとレールの一部が現在も保存されている。黒部の「クロベ」と、残されたレールから連想される「駅」を組み合わせ、「クロベノエキ」と名付けられた。遠く離れた二つのダムが、一つの設備によってつながっている。

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大滝ダム

ここは土木好きの目には少々忙しいステージだった。山肌を支える擁壁、斜面を覆う法面工、鉄骨へ視線が吸い寄せられる。擁壁を眺めているうちに、カメラの中はクルマよりもコンクリートの写真が多くなっていた。

ラリーカーが駆け抜ける山道の傍らには、ダムや橋、トンネル、法面、擁壁など、土地と向き合いながら築かれてきた構造物があった。スピード感のある走りに目を奪われながらも、少し視線を移せば、長い時間をかけて地域を支えてきたインフラの役割が見えてくる。ラリー飛鳥は、競技の迫力とともに、山と水、人々の暮らしをつないできた土木の仕事にも目を向ける機会となった。

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名阪スポーツランド
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天理市役所での表彰式

大阪・関西万博の記憶をつなぐ、
ラリーのまち・恵那

大阪・関西万博の記憶が、ラリー開催地・恵那市に新たな形で受け継がれた。2026年3月8日、恵那北中学校で、ポーランドパビリオンの外壁を彩った木組みを活用したモニュメントの完成式典が開かれた。展示デザイン部門で金賞を受賞したパビリオンの一部は、同校正門前と恵那市役所本庁舎1階に設置され、万博のレガシーとして地域に残ることになった。

式典では、岐阜県ポーランド交流協会の阿部伸一郎会長、駐日ポーランド共和国特命全権大使のパヴェウ・ミレフスキ閣下、ポーランドパビリオン政府副代表のエリザ・クロノフスカ・シヴァク氏、前 在ポーランド日本国特命全権大使の宮島昭夫氏が挨拶された。生徒による合唱やピアノ演奏も披露され、両国の友情を未来へつなぐ節目となった。

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関係者によるテープカットでモニュメントの完成を祝った

恵那市とポーランドの交流は、東京2020大会に向け、ポーランドのカヌー代表チームが笠置峡で事前合宿を行ったことから始まった。選手たちは銀メダルと銅メダルを獲得。その後、恵那北中学校の生徒によるウクライナ避難民支援の募金活動などを通じて、交流はさらに深まった。

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木の香りが漂うモニュメント

フォーラムエイト・ラリージャパン2026では、恵那SSや笠置山SSを舞台に、世界のトップドライバーが山間の道を駆け抜けた。ラリー観戦や観光をきっかけに市内を訪れた際には、市役所の木組みモニュメントにも目を向けたい。日本各地へ受け継がれていく万博の想いと、地域に根を張る国際交流の物語。その一端を、ラリーのまち・恵那で感じることができる。

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駐日ポーランド共和国特命全権大使のパヴェウ・ミレフスキ閣下
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出会いの舞台となった笠置峡

写真:坂 秀憲

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