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第8回 FORUM8 地方創生・国土強靭化セミナー
開催レポート

サスティナブルな社会、
新しい地方経済生活環境創生へ

全国22都市を巡った90日間

2019年より、全国の中核都市で「FORUM8 地方創生・国土強靭化セミナー」を開催し、各自治体におけるインフラ整備のデジタル化推進を支援しています。2026年は沖縄から北海道まで全国22箇所で実施。各地の有識者が語った「地方創生の核心」を凝縮レポートでお届けします。

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九州・沖縄から始まる知見 1/20~1/29

2026年1月、鹿児島を皮切りに福岡、那覇、大分へと巡った本セミナー。人口減少とインフラ老朽化が加速するなか、もはや従来の延長にある対策では地域を守り抜けません。オランダに学ぶ戦略的投資から、建設DX、官民共創、そして防災のリアリズムまで。各地で示された提言を紐解きます。

【鹿児島】戦略的インフラ投資による潜在能力の解放

九州と同規模のオランダは、戦略的投資でGDPを4倍に成長させた。農業産出額全国2位の鹿児島も、港湾や道路を整備し、生産者が「作りすぎを気にせず増産できる体制」を整えるべきである。この投資は、日本の食料・エネルギー安全保障を確立する国家戦略に直結する。

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「戦略的インフラ投資」が成長の鍵。
全国2位の食料生産と再エネ資源を
渋滞解消と港湾強化で支える

【福岡】建設DXで「2040年問題」を突破する

高齢者人口がピークを迎え、道路の75%が築50年を超える2040年。担い手不足が極まる中、従来の手法でインフラを守り抜くことは不可能に近い。自動化施工やUAV調査、デジタルツインによる「省人化・リモート化」の実装こそが国土強靭化を支える重要な道である。

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建設DXで2040年問題を突破。
デジタルツインや自動化施工を駆使し、
ライフラインの強靭化を!

【那覇】人口減少社会を前提とした「対話と共創」

国への依存から脱し、官民が対等にリソースを出し合う関係性へ転換すべきだ。那覇ではLRT整備や行政DXでの外部人材受け入れなど、官の役割を民の技術で補完する「新たなまちづくり」を進めている。人口減少社会を前提とした、しなやかな連携が必要。

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「対話と共創」のまちづくり。
官民のリソースを補い合い、
LRT整備や行政DXで人口減少社会に挑む

【大分】「回復」の迅速さと、「縮小・楽着的復興」への合意

防災の本質は、被災後の「回復」の速さにある。48時間以内に生活環境を整えるイタリアに比べ、日本の遅れは顕著。物理的整備の限界を認め、身の丈に合わせた規模で迅速に復旧させる「縮小・楽着的復興」へシフトする時代が訪れつつある。

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「縮小・楽着的復興」という選択肢。
48時間以内の生活回復を目指し、
住民と持続可能な復旧を合意する

そして西日本へ 2/3~2/12

2月上旬、西日本の中核都市へ。そこで浮き彫りになったのは、コンビナートの脱炭素化や道路網のボトルネック解消といった「地域資産の再定義」と、震災の教訓をインフラの多重化や人材確保へと直結させる「実務への徹底した落とし込み」でした。

【山口】既成概念を廃したDXと、コンビナートの潜在力

中国地方最多のDX認定企業数を背景に、オンライン申請やモバイル活用など、行政と民間の双方で「既成概念にとらわれない改革」を加速させている。さらに、石油・化学・鉄鋼コンビナートの集積を、脱炭素化への「潜在力」と再定義。多角的な枠組みでの挑戦を通じ、県全体での発展を期す。

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脱炭素への潜在力。
多様なコンビナートの集積を活かし、
地域産業を支える国土強靭化を推進

【岡山】ボトルネック解消へ向けた交通体系の再構築

高速道路の骨格は整ったが、目的地へと繋ぐ一般道の整備停滞が深刻なボトルネックとなっている。この遅れは、投資判断や合意形成といった「意思決定の構造」そのものに起因する。単なる「整備」に留まらず、ミッシングリンクの解消と情報活用を含めた「運用」の視点から、交通体系を再構築する必要がある。

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「ラスト数km」のボトルネックを解消。
高速道路から目的地へ繋ぐ投資が、
地域の活力を引き出す

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【神戸】震災の教訓、「多重化(リダンダンシー)」の徹底

阪神・淡路大震災での道路網寸断による麻痺を教訓に、ダブルネットワークの構築を徹底。インフラの全分野において「多重化」を断行している。公園は貯水・備蓄機能を備えた防災拠点へと姿を変え、下水道処理場も機能を全喪失させない構造へと転換。壊滅的被害を回避するための具体的な指針が確立されている。

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万博の成果を中小企業へ波及。
「拡張万博」戦略と、
実務を設計できるビジネス人材の確保が不可欠

【大阪】「拡張万博」とビジネスアーキテクトの確保

大阪・関西万博の成果を、オープンファクトリーなどを通じて中小企業の活性化や採用力向上へ繋げる「拡張万博」が鍵を握る。DXによる競争優位を確立するには、単なる省力投資に留まらず、顧客のプロセスに深く入り込み実務を設計できる人材「ビジネスアーキテクト」の確保が不可欠である。

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震災の教訓、インフラの「多重化」。
貯水機能付き公園やダブルネットワークで街の強靭さと豊かさを両立

【奈良】「見える化」による広域連携と拠点形成

京奈和道のミッシングリンク解消を軸に、産業集積と宿泊型観光を加速。リニア駅確定を見据えた「食のハブ」構想など、民間の知恵を活かした拠点形成を推進する。特筆すべきは内水対策で、100万トン級の進捗を徹底して「見える化」し、市町村との連携を促す独自の仕組みを導入している。

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京奈和道の接続を軸に、南北の流動を拡大。
拠点形成と「見える化」による内水対策で県土を強靭化

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中部・北陸 2/13~2/24

2月中旬から3月初旬にかけて、中部エリアへと展開しました。ここで共有されたのは、限られた資源をどこに投下し、いかに民間の活力を引き出すかという「地域経営のリアリズム」です。人口減少下でも持続可能な成長モデルを構築する挑戦が示されました。

【福井】地場産業のDXと「グローカル成長戦略」

「福井県シリコンバレー化構想」を掲げ、地方企業が直接世界市場へ挑む「グローカル成長戦略」を推進。メガネや繊維等の伝統的な地場産業をDXで高付加価値化し、新産業創出を加速させる。インフラ面では北陸新幹線の延伸を機に「命を守る道路網」を再構築。施工の自動化・省人化を図り、地方から日本全体の成長を牽引する。

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福井の「シリコンバレー化」。
DXによる地場産業支援と「命を守る道路網」で
日本全体の成長を牽引

【富山】「施設の複合化」と一点突破のブランディング

人口減少下での行政機能維持に向け、駅への図書館・無人カフェ併設といった「施設の複合化」を徹底。県と市の共同発注など広域連携を深め、限られた人手で公共サービスを守る。一方で地域資源は「一点突破」の戦略で展開。「寿司といえば富山」のネーミングや機敏なSNS発信で認知を広げ、持続可能な地方モデルを確立する。

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施設複合化による「適応」と
ブランド戦略を武器とした「攻め」。
人口減少下で公共機能と活気を守り抜く

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【名古屋】「日本中央回廊」の要衝を守る、広域連携

リニア駅整備の波及効果が期待される一方、深刻な人口流出に直面している。外国人労働者の受け入れと建設DXによる人手不足の解消が急務だ。南海トラフ地震を見据え、産官学民の連携を強化。設楽ダム等による流域治水や名岐道路の新規事業化を進め、物流・防災を支える「日本中央回廊」のネットワークを強靭化する。

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「日本中央回廊」の要衝を守る。
南海トラフ地震を見据え、
産官学民の連携で強靭なネットワークを構築

【長野】民間主導の「構造の逆転」と、VRによる将来可視化

人口減少下で賑わいを創出するには、民間が主導して行政を巻き込む「構造の逆転」が不可欠となる。前橋市の公民連携を指針に、民間資金を呼び込み公共空間と民有地を一体的に再編すべき。都市の将来像はVRや3Dで可視化し、AIによる市民の声の解析・共有を行えば、若者が能動的に参画する地方モデルが確立できる。

【静岡】行政に問われる「投資家」の視点と施設の再編

インフレ環境下、行政には赤字を生まない「投資家」としての判断力が問われている。施設の集約・再編によって投資余力を確保することが重要。清水駅直結の新スタジアム構想を契機とした民間資金や国費の戦略的活用など、「良い投資」を積み重ねることで、人口減少下でも持続的な成長を実現できる。

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民間主導による「都市の再デザイン」。
VRやAIで市民の想いを可視化し、
共創プラットフォームを構築

自治体は「一流の投資家」であれ。
地域固有の価値に「良い投資」を積み重ね、
人口減少下でも成長を

関東・東北 2/25~3/5

2月下旬から3月上旬にかけては、日本の中心部から東北へと北上しました。ここでは、単なる技術導入に留まらない「制度と業務プロセスの変革」が示されました。最新技術を「誰一人取り残されない」、そして「命を守り抜く」実行力へと変える決意が伺えました。

【横浜・ご挨拶】日本のデジタルツインで世界をリードする

デジタル大臣在任中、テクノロジー活用のための改革を行った。国の法改正に留まらず、市区町村レベルの条例見直しまで徹底する必要がある。日本の高度なデジタルツイン技術は国際的にも優位にあり、その技術力で世界に貢献できる段階に来ている。

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アナログ規制の壁を突破。
日本のデジタルツインで世界をリードする

【横浜・特別講演】「誰一人取り残されない」デジタル社会へ

デジタル庁は「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を掲げる。制度や業務プロセスそのものを変革する「三位一体の改革」を加速させ、マイナンバーカードを「持つ」段階から「使う」段階へ移行させる。また、労働力の補完や技術継承にAIを活用。セキュリティ、品質、機密保持を徹底し、行政と社会が抱える困難を突破していく。

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「誰一人取り残されない」デジタル社会へ。
AIを課題解決の力に

【さいたま】強固な財政と鉄道網を活かした「投資」を

埼玉は強固な財政基盤を持ち、鉄道網の要衝でもある。駅周辺の再開発やアリーナ改修を「質の高い投資」へと昇華し、民間投資を呼び込むべき。デジタル活用と施設見直しで投資余力を生み、官民連携で人が集う都市構造を築けば、埼玉独自の価値を最大化できる。

【高崎】「民主導」への転換と、人が主役のまちづくり

副知事時代には「地域から社会を変える」と県政改革を断行。施設の民間移管や公園再整備を通じ、住民と未来を描く「民主導のまちづくり」を実践した。地元の民間と行政がルールを共有し、調和ある景観を築くことが重要。自動運転などの技術を実装し、「人が主役のフレンドリーな街」を創出。群馬から次世代に続く豊かさを広げたい。

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強固な財政と鉄道網を活かす。
官民連携の投資で
埼玉独自の価値を最大化

地域から社会を変える。
民主導で築く、人が主役の
「フレンドリーな街」

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【郡山】「72時間の壁」を越えるためのデジタルツイン

大規模災害時、警察・消防到着までの「72時間の壁」を越えるには、地域住民による共助が不可欠。デジタルツインで避難行動を可視化し、クラッシュ症候群などの救助知識を平時から共有する。最新技術を使って限られた人的リソースで住民の命を守るシステムを構築し、安心できる地域社会を次世代に繋げたい。

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「72時間の壁」を共助で越える。
避難行動の可視化と救助知識の共有により
住民の命を守る

【盛岡】3.11の教訓を国際標準へ

3.11では、避難車両の渋滞が命を奪う決定的な要因となった。その教訓から宮古や釜石ではデジタルツインを実装し、渋滞発生点や孤立リスクを事前に特定。実効性の高い避難計画を策定している。さらに、高台移転や水産ITを融合させた「創造的復興」を推進し、地方創生と防災を一体化。このノウハウを国際標準とし、次なる地震に備えたい。

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3.11の教訓を国際標準へ。
デジタルツインで最適な避難計画を策定し、
創造的復興を加速させる

青森・北海道 3/10~3/12

3月中旬は青森から北海道へと展開。日本は、地震、火山に加えて、台風、とりわけ近年の気候変動による豪雨の激甚化といったリスクが高い「災害列島」であり、想定される400兆円の損失を200兆円に抑えるためにはハードだけでなくソフト(デジタル、人財)への投資が不可欠であることや、最新技術を「個の生き抜く力」や「地域のビジネス」へと直結させる、一歩踏み込んだ強靭化の戦略について共有されました。

【青森】積極的に予算を申請し、災害リスクへ「事前投資」

日本海・太平洋に囲まれ火山帯も有する青森は多重災害のリスクが高い。単身世帯増加で地域コミュニティが弱体化するなか、民間の最新技術を導入し、事前投資による被害の最小化を急ぐべき。国家予算や交付金を積極的に活用し、官民連携で強靭な地域を作りたい。

【函館】デジタルで個の「生き抜く力」を高める

公務員や技術職が減少する現状では、もはや行政頼みの防災は成り立たず、個々の「生き抜く力」を呼び覚ます行動変容が重要。デジタルスキャンやVR技術によって不可視のリスクを直感的に捉えられるようにし、自分たちの力で命を守りきれる強靭な地域を築いていく。

【札幌】防災投資を地域を潤すビジネスへ

近年の札幌は雪害に加え、激甚化する豪雨の被害が顕著であり、土砂崩れや広域避難への対策が急務。最新の3Dシミュレーション等を活用し、官民連携で取り組むべきだ。命と経済を守るための投資は、新たな産業を生み、「地域を潤すビジネス」となる可能性がある。

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多重災害リスクへの事前投資。
コミュニティ弱体化を最新技術で越える

公助の限界を直視。
VRによるリスクの可視化で、
自ら命を守り抜く地域を

雪害・豪雨対策を3Dシミュレーションで高度化。
防災投資を新たなビジネスへ

フォーラムエイト プレゼンテーション
最新基準を、AIとデジタルツインで突破する

今回のセミナーでは、最新基準への対応、デジタルツインの活用、そしてこれらを支えるデータセキュリティという3つの軸から、フォーラムエイトのソリューションを紹介しました。まず、最新の「道路橋示方書・同解説(令和7年10月)」および「下水道施設の耐震対策指針と解説-2025年版-」に対応した製品のリリース状況を共有し、浸水氾濫シミュレーションによる3DVR空間での視覚的な状況共有がリスク対策における合意形成の迅速化につながることや、施工段階を支援する「コンクリート打設管理システム」の事例などを説明。広域の建物データや地形・道路などのオープンデータを活用したデジタルツインにが、大規模避難シミュレーションや豪雪地域における除雪支援など、実務における比較・検証や意思決定を支える基盤となっていることを示しました。また、「止まらないインフラ」を守る責任として、セキュリティの観点からの情報提供と提案も行いました。

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技術の絆を、リアルな笑顔で結ぶ夜 ネットワークパーティ

日頃のご愛顧に感謝を込め、全国のユーザ様と親睦を深めるネットワークパーティを開催いたしました。松任谷由実さんのコンサートツアーチケットやプログラミングノートPCが当たる豪華抽選会も実施。和やかな交流と歓声に包まれた、笑顔あふれるひとときとなりました。

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最新のフォーラムエイト製品を気軽に体験できる特設コーナーもご用意
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