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ユーザ製品活用レポート

橋脚の設計・3D配筋活用による柱断面計算の効率化

前田 吉兵(まえだ きっぺい)

橋梁下部工設計に従事する20代エンジニア。橋台、橋脚や基礎の設計など実務経験し、最近では箱式橋台や非線形動的解析にも携わっている。

前田設計事務所

使用製品

  • 橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)
  • 震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応)
  • RC断面計算・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)
  • 基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)

はじめに

UC-1シリーズ製品「橋台の設計・3D配筋」「橋脚の設計・3D配筋」「基礎の設計・3D配筋」および「震度算出(支承設計)」のソフトを活用した全体解析を含む下部工計算事例のうち、本稿では剛結構造橋脚の断面計算を「橋脚の設計・3D配筋」ソフトを活用し効率化を図った永続、変動作用状況に対する柱断面計算(P1橋脚)を紹介します。

設計概要

上部工:PC2径間連続ラーメン橋+PC単純桁橋
下部工・支承条件等:下表

UserRport_ramenTable.png
表1 支承条件、下部工、基礎、地盤種別
UserRport_ramenDiagram.png
図1 PC 4径間連続ラーメン橋

設計着手

異なる下部工形状や基礎であることから着手段階で各構造の形状や地盤定数等の条件モデル図を作成し設計に必要なソフト入力情報を作成。「震度算出(支承設計)」にて橋梁全体をモデル化し下部工剛性、基礎ばね等を上部工設計と情報共有し上部工反力および剛結構造橋脚の断面力にて下部工設計を実施。

橋脚柱の設計に用いる断面力と照査要領

一般的に、剛結構造の橋軸および直角方向の柱断面照査は以下要領で行います。

  • 【橋軸方向】
    • 柱上端、柱基部の剛結構造断面力に対する柱の断面照査(図2)。
    • 「RC断面計算・3D配筋」による断面照査。
  • 【直角方向】
    • 水平力を慣性力作用位置に載荷させた単柱モデルにて柱断面照査(図3)。
    • 「橋脚の設計・3D配筋」による断面照査。
図2 橋軸方向柱断面力.png
図2 橋軸方向柱断面力(剛結)
図3 直角方向柱断面力.png
図3 直角方向柱断面力(単柱)

剛結構造橋脚の設計・3D配筋の活用

ここでは、橋軸方向は算出された「①剛結構造断面力」が一致するよう「②入力用補正値」を設定し(表2)、橋軸および直角方向の柱断面計算を単柱モデルとして「橋脚の設計・3D配筋」を活用し計算を行いました。

表2 橋軸方向橋脚下端照査断面力.png
表2 橋軸方向橋脚下端照査断面力(断面力は荷重係数考慮)
 

断面計算結果

橋軸方向は補正入力値、直角方向は荷重入力による単柱モデルにて「橋脚の設計・3D配筋」を活用した柱断面計算結果は(表3)となり、橋軸方向計算結果の柱断面力は(表2)の「①剛結構造断面力」と一致。

表3断面計算結果.png
表3 単柱モデルでの柱断面計算結果(「橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」結果抜粋)

UC-1シリーズ製品との連動による効率化

剛結構造橋脚の柱断面計算を「橋脚の設計・3D配筋」の活用により橋軸、直角方向を一括して計算し「基礎の設計・3D配筋」と連動できるため剛結構造橋脚の「RC断面計算」と「基礎設計荷重入力作業」の手間が省け作業効率化が図れました。

また、「震度算出(支承設計)」とも連動し荷重の読込みが容易で入力ミスも軽減できたと感じます。別途FORUM8「Engineer's Studio®」は「震度算出(支承設計)」と連動により非線形動的解析の初期入力が可能なため大幅な時間短縮が図れるメリットがあり、今後使用する機会があれば挑戦したいと考えております。

おわりに

近年では設計ソフトもAI機能導入等によりヘルプ機能の利便性も向上しており、それらをフル活用し効率的な作業を行うことが重要と考えます。下部工設計に従事しキャリアは数年ですが、冒頭に記載した橋台、橋脚の設計や斜面上の直接および深礎杭基礎等の業務を経験する中で「FORUM8 UC-1シリーズ製品」は業務遂行になくてはならない存在となりました。

今後も様々な下部工設計に取組んでいきたいと思います。

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